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スポーツ情報 【連載6】 情報発信手段としてのインターネット
  Posted on Tue 06 Feb 2007 by kito (1998 reads)
村木征人(筑波大学),伊藤浩志(筑波大学大学院)

 ここ1、2年の間に、インターネットはWWW(ホームページ)として認知され、企業や学校はもちろん、個人レベルでも多くの人がホームページを持ち様々な情報を発信するようになりました。インターネットがどんな人でも自由に、また手軽に全世界に向けて情報発信ができるメディアであることがその一因となっているのでしょう。
 これまで数回にわたってスポーツ科学・トレーニング情報に関するホームページを紹介してきました。しかし、日本においてこの分野の情報を持つホームページは、まだまだ産声を上げた段階でしかありません。
 そこで、本連載の最後である今回はスポーツ科学・トレーニングに関する情報交換をより盛んにしていきたいとの意味から、情報の発信方法、ホームページの作成方法について触れていきたいと思います。

ホームページの裏側
 ホームページはカラフルな画像や様々に装飾された文字や表からできています。では、その中身はいったいどうなっているのでしょう。Netscape Navigatorで、メニューバーの「View(表示)」の中にある「Source(ソース)」という項目を選択するとホームページを記述しているHTML言語が現れます(図1)。ホームページの華やかさとは逆に、その中身は文字一色で埋まっています。これはHTMLの言語仕様が「タグ」とよばれる文字によって装飾やリンク、画像などがつけられるようになっているためです(「タグ」は具体的には「<タグ名>〜」の形で「〜」の部分に指定します)。


図1 ホームページを記述するHTML言語

 現在、タグは約60種類ありますが、ブラウザソフトによって表示できるタグの種類が若干異なります。HTMLを理解していれば、ホームページはワープロソフトのように文字が入力できるソフトウェアがあれば作成することができます。しかし、最近はホームページ作成専用のエディタも登場し、全くをHTML知らなくてもプロ顔負けのホームページが簡単に創れるようになりました。代表的なHTMLエディタを表1に紹介しておきますので参考にして下さい。



ホームページの内容
 ホームページは他のメディアと違ったいくつかの特徴を持っています。ホームページははじめから順番に読まれていくとは限りません。リンクの仕方、見る人の興味によってページをたどっていく順番は様々に変化します。ですから、ホームページをデザインする場合は1つのページではなく、いくつかのページの集合体として構成を考える必要があります。どのページ同士をリンクさせるのか、各ページの情報がしっかりと役割を持って機能しているかなど、すっきりとした無駄のないホームページに仕上げることが大切です。
 現在のインターネットの通信状況は必ずしも良いとは言えません。容量の大きい画像を読み込めば、ちょっとしたフラストレーションを感じます。せっかく作り上げたホームページもなかなか表示されなければ、途中で消されてしまうかもしれません。ホームページは誰かに見てもらうためのものですから、見る側の見易さを考えて作る必要があります。
 読み込みに時間のかかるホームページはそれだけでマイナス要因となります。ですから意味のない大きな画像をはじめに表示させることなどは避けるべきでしょう。
 初めてそのホームページに訪れた人が、そのページにはどんな情報があるのかという全体像がすぐに理解できるように、構成を工夫することも大切でしょう。目次など内容一覧を作ることは効果的であり、よく見かける方法の一つです。

ホームページの今後
 1990年にWWWの登場した時は見栄えはそれほど重視されておらず、文字の装飾などはほとんどありませんでした。
 ここ数年の間にインターネットが急速に注目され、MosaicやNetscape Navigatorにより“見栄え”がWWWに持ち込まれたことで、その存在は一気に私たちの生活の中で認識されました。現在も「インタラクティブ」、「リアルタイム」がキーワードとなり数々の新技術が次々と開発されています。
 「インタラクティブ」なホームページを実現する技術がShockwave、CGI、Javaです。
 Shochwaveはインタラクティブ型のアニメーションをホームページ上に表示するものです。CGIは健康診断ホームページなどで使われているもので、ホームページ上で入力された情報をホームページの発信元であるサーバに送り返し、それを「サーバ側」で処理して新しい情報として再び送ってもらうというものです。Javaはそれ自体はプログラム言語なのですが、Javaによってプログラムされたものをホームページで動作させることで、CGIでは「サーバ側」で処理していたものをホームページの中で処理することができるといものです。
 これらの技術のスポーツ科学やトレーニングに関する情報への応用はいろいろと考えられます。
 Shockwaveであれば球技などのフォーメーションを、アニメーションにより、状況に応じて変化するものとして伝えることが可能です。また、トップ選手の動きをスティックピクチャーにしてアニメーション表示させることも考えられます。
 Javaはプログラム言語ですからより可能性が拡がると思います。スティックピクチャーを例に取ります。Shockwaveはあらかじめ作成されたものしか表示させることしかできませんが、 Javaを利用すれば好きな映像を選んでデジタイズの段階から行わせることも可能です。また、数値などを入力させることも可能ですから、いくつかの体力テストのデータからパフォーマンスを推定するようなホームページへの利用も考えられます。CGIと違ってサーバとデータをやり取りする時間がかからない分、見る(使う)側にとっては使い易いと言えるでしょう。
 Javaはサーバとのやり取りがない分、時間的な利点があります。しかし、データベース化を考えた場合CGIの方がより有効的です。両者はデータ処理をサーバで行うか(CGI)、ホームページ内で行うか(Java)という違いの他に、入力されたデータをサーバ側に保存できるかという差があります。CGIを使うことで情報の発信側(サーバ側)はデータを蓄積でき、より詳しい情報を提供できるようになります。トレーニング診断などのホームページにCGIを利用すれば、見る(使う)側ではトレーニングアドバイスが受けられ、サーバ側では新しいデータの蓄積ができ、より正確なアドバイスが可能になるでしょう。
 2つ目のキーワードである「リアルタイム」に関しての技術は映像や音声といった分野で目覚ましい成長を続けています。そのクオリティーはテレビやCDプレーヤーに近づいていると言えます。
 テレビ電話の様にカメラで撮影した映像をインターネット経由でやり取りすることでリアルタイムなコミュニケーションをとることができます。また、ホームページ上でリアルタイム映像を表示する技術も非常に性能が向上しています。昨年行われた日米野球では非常に高画質なライブ放送が行われていました。
 しかし、今のところこうした技術をトレーニングやコーチングの場面に利用したものは、ほとんどありません。映像のリアルタイム通信を利用していけば、技術指導やトレーニングアドバイスが海を隔てた海外からでも可能になります。実際に、3月に開催されるトレーニング科学研究会ではインターネットとテレビ会議を利用した遠隔地からのスポーツ指導の実践がなされるそうです。
 最後にWWWにおけるスポーツ科学にとってキーワードとなるのは「マルチメディア」であると思います。これまで述べてきた様々な技術を利用することで、スポーツ科学とインターネットという異なる分野を統合することができれば、本当の意味でのインタラクティブな、そしてリアルタイムなオンライン・スポーツサイエンスの可能性はさらに拡がるでしょう。そして、それらは近い将来、オンライン・コーチングなどの形でインターネット上に必ず登場すると思います。


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